岡本健一、52歳。演劇界の第一線で活躍し、いくつもの受賞歴を持つ舞台俳優である。彼は80年代から90年代に存在したアイドルにして、ロック・バンドでもあった男闘呼組(おとこぐみ)の元メンバー。ジャニーズアイドルの先駆的な存在なのだ。
また岡本は90年代半ば、自身のバンド、Addict of The Tripmindsで、ダークなサイケデリック・ロックを鳴らしていた。このバンドは昨年12月、27年ぶりにライヴを敢行。そこに男闘呼組のメンバー、成田昭次が1曲参加したのも話題になった。そして僕はこの夜、昔と同じようにステージで陶酔する岡本の今に迫りたいと思った次第である(なおADDICTの次回のライヴは3月10日の14時~、クラブチッタ川崎が決定)。
今回、岡本と27年ぶりに言葉を交わした。その結果、いつも正直で自然体の彼は、大人になる過程で自分が許容する範囲を広げたことで、芝居をする人間として、また一個人としても成長したのでは、と感じた。こんな素敵な生き方をする元アイドルの大人がいることに、ぜひ触れてほしいと思う。