2019年2月28日(木)に「第26回読売演劇大賞贈賞式」が都内にて行われた。本賞は、1994年に創刊120周年を迎えた読売新聞の記念事業として創設され、日本文化の一層の発展を願い、歌舞伎や能などの伝統演劇からミュージカル、商業演劇、新劇、小劇場演劇などジャンル不問で優れた舞台作品・演劇人を顕彰するアワードだ。
第26回読売演劇大賞は、2018年の1年間に上演された舞台作品を対象とし「大賞」「部門最優秀賞」(最優秀作品賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞、最優秀演出家賞)「最優秀スタッフ賞」「杉村春子賞(新人賞)」「芸術栄誉賞」のカテゴリで選考が行われた。
高円宮妃久子殿下をお迎えして執り行われた今回の贈賞式で各賞を受賞した作品、人物を式進行順に紹介しよう。またスピーチをした受賞者のコメントもお伝えする。
■最優秀男優賞
岡本健一
世田谷パブリックシアター『岸 リトラル』の父イスマイル役、新国立劇場『ヘンリー五世』のピストル役の演技
「自分の番を待っている間、ケラさんの整髪剤の香りで頭がおかしくなっています(笑)。19歳の時に初めて舞台『唐版 滝の白糸』を経験させていただき、蜷川幸雄さんが演出を務めていたんですが、初めて稽古場に行き演劇人に出会いましたが、演劇人って普通じゃないなというか、今日はここでかしこまった格好をしていますが……変わった方ばかりだと思いました(笑)。でも皆自由に存在していて、彼らに触発されて『自分も舞台人になりたい』と思い、30年やってきました。スタッフ・キャストが血のにじむうような努力をして、肉体が滅ぶ事があってもそれを乗り越えて一つの作品を作り上げるために全身全霊を込めていた。今まで70本くらいやってきましたが1本1本に賞をいただきたい気持ちでもあります。