番組内容
売れっ子旅行作家・茶屋次郎(橋爪功)は四万十川取材のため高知県を訪れる。案内役は、茶屋の秘書・真紀(久本雅美)が旅先で好きになった男の幼馴染み・吉川香織(小松千春)。香織は四万十川の資料館展示責任者をしている傍ら、母親の面倒を見るため夜はスナックでホステスをしていた。
番組内容つづき
その香織が茶屋と合流した3日目の早朝、水死体となって発見される。香織と行動を共にしていた茶屋は警察に犯人ではないかと疑われる羽目に…。
出演者
茶屋次郎…橋爪功
春川真紀…久本雅美
山倉晋吉…角野卓造
野中真理…芦川よしみ
吉川香織…小松千春
角坂竜成…前田耕陽
池内まさる…岡本富士太
原作・脚本
【原作】梓林太郎「四万十川殺人事件」(祥伝社)より
【脚本】長谷川康夫
監督・演出
【監督】富永卓二
雑誌「週刊ロイヤル」に連載中の売れっ子旅行作家・茶屋次郎は、次の取材先に高知県の四万十川を訪れた。案内役には、茶屋の秘書・真紀が夏休みに四万十川を訪れた際に知り合ったカヌー指導員・石戸太一の幼馴染みという吉川香織。香織は、四万十川の資料館の展示責任者をしている傍ら、早くに父親を亡くし、実家にいる母親の面倒を一人で見ているため、夜はスナック「マリーン」でホステスもしていた。
その香織が茶屋と合流した3日目の早朝、四万十川に架かる橋の一つ、岩間(いわま)の沈下橋(ちんかばし)の下で水死体となって発見される。前日、香織と行動を共にしていた茶屋は、警察から取調べを受ける羽目になる。
昨日、茶屋は香織と四万十川の取材を続けていたが、午後6時頃、西土佐村の実家に帰るという香織を君が渕に残して、一人車で帰路に着いた。その時、香織は車で迎えに来てくれることになっていると話していたが、警察の話では、香織の実家に車はなく、さらに君が渕下の河原に香織の靴やバッグが残されていたという。死亡推定時刻は前夜の9時から11時の間で、発見された死体にはかなりの損傷があり、死体は君が渕から岩間の沈下橋まで流されたと見られた。さらに香織の母親の話では2週間程前、香織から「会わせたい大切な客を連れて行く」と連絡があり、昨晩はそれを待っていたことが明らかになる。
その後、香織の死因は溺死と判明するが、警察は他殺の線で捜査を開始した。誤解が解けて釈放された茶屋は、合流した連載誌の副編集長・山倉とスナック「マリーン」のママ・真理と共に香織の死の真相究明に乗り出す。
香織が死んだとみられる時間、茶屋は君が渕から車で1時間かかる「マリーン」で、山倉と遠山病院の若手医師で香織の先輩・角坂竜成(前田耕陽)と飲んでいた。訃報を受けて茶屋たちの下を訪れた角坂は、同郷で同じ片親同士だった香織とは兄妹のような関係だったと語る。そして半年程前、香織が精神的にショックを受けていた時期があったと話す。
茶屋と別れた後、香織にいったい何があったのか?茶屋たちは、香織の交友関係を探るため、資料館の同僚に話を聞いた。そして半年程前、落ち込んでいた香織がここ2週間程は見違えるように明るく、どこか嬉しそうだったことを知る。香織が母親に連絡したのも2週間前、しかも「大切な客」という言葉から、香織は結婚相手を実家に連れて帰ろうとしたのではないかと考えられた。
その後、香織の住んでいたアパートを訪ねた茶屋たちは、角坂らしき人物が香織の部屋を度々訪れていたことを突き止める。さらにその人物が、別の男と言い争っているのを香織が止めに入っている場面も目撃されていた。
事の真相を突き止めるため、茶屋は病院にいる角坂を訪ねた。角坂は、確かに香織の部屋をよく訪れ、ご飯をご馳走になっていたという。さらにアパートの前で言い争っていた相手は石戸太一で、香織に気がある太一が自分と香織の仲を勘違いしただけだと告げる。
茶屋は、相手の男が太一と聞いて少し驚いた。実は茶屋は角坂と一緒に飲んだ日の夜、「マリーン」の前で角坂が見知らぬ男と言い争っていたのを思い出したのだ。その人物のことも尋ねてみるが、角坂は「個人的なこと」として多くを語らなかった。そして角坂は今秋、院長の娘・遠山さやかと結婚が決まっていると打ち明ける。
一方、太一が香織に一方的に好意を寄せていたことを知った茶屋は、香織と君が渕で別れた帰り、カヌーを積んだワゴン車に乗った太一とすれ違っていたことを思い出す…。
香織が実家に連れて行こうとしていた人物とは誰なのか?その人物こそ、香織を手にかけた犯人に違いない。調べを進める茶屋は、奇しくも香織の死体が発見された岩間の沈下橋で、半年前に女性が身投げした事件の背景に、今回の事件に繋がる重要な真実があることを突き止める…。