ペルーから出稼ぎで来日した日系人タクシー運転手と、組に反旗を翻した若きチンピラ。2人の逃避行と反撃をスリリングに描くアクション。主演は役所広司。監督は原田眞人。
1990年代、国際都市になった東京を舞台に、土台はアウトローアクションながら、“自己啓発セミナー”“新興宗教”“ドラッグ”といった時代のキーワードをふんだんに飛び交わせることで、とびきり刺激的に仕上がった国産ハードボイルドの快作。日本映画がつまらないと誤解している人にこそ、ぜひ見てほしい作品だ。片言の日本語を駆使するタクシー運転手の役を好演した役所を筆頭に、「ハッシュ!」の高橋和也、「二十才の微熱」の片岡礼子、ミッキー・カーチスなど、個性的な競演陣もその魅力を存分に発揮した。