ミステリードラマの女王・沖田薫(秋吉久美子)が主演するテレビドラマの500本記念作品の制作発表会見が、都内ホテルで行われた。マネージャーの中村亜美と、その幼馴染みでシナリオライター志望の付き人・石田里香(田中美里)らが見守る中、記者たちの質問は、薫とその夫で監督の沖田雅也(前田吟)の離婚問題に集中する。薫は、ドラマの監督・中山や相手役・北上とも噂があった。里香は、夫婦の危機的状況を目の当たりにしていた。互いの会話は、テープレコーダーに録音する状態で、この夜、先に帰宅した薫の雅也への伝言は、ロケ先の京都で離婚話をしたいとの提案だった。雅也は、離婚届には決して判を押さないと吐き捨てる。薫の帰宅を待つ里香の元に、亜美から電話が入る。亜美は、薫が自分のことについて何か言ってなかったか?と妙な質問をする。その直後に帰宅した薫は、雅也の伝言を聞き「だったら、私を殺すしかないわね」と不気味な発言を残す。ドラマの撮影が始まった。里香は薫の計らいで1日休暇をもらい、実家に里帰りする。一方、撮影現場では、恋敵の中山と北上が言い争う場面も見られた。ロケが終わり、見学していたファンから薫に花束が渡される。その中には里香の父親・久造の姿もあった。一行は嵐山の茶房に移動し、打ち合わせを行う。亜美は里香に電話をかけ、沖田夫妻が宿泊するホテルで、雅也と交際が噂されている女優・野口鮎子(大沢逸美)を目撃したと告げる。雅也と示し合わせているのではと勘ぐる亜美は、イヤなことが起こりそうだと危惧する。ホテルに戻った薫と亜美は、部屋で雅也と遭遇、夫婦は別々の部屋で時間を過ごす。その間にファンからのバラの花束を花瓶に生けようとした亜美が、指にバラの棘を刺した途端、苦しみ出し、絶命する。