京都の市街地から離れた河川敷で、呉服屋・八坂の主人・北川(沖田さとし)の死体が発見され、目撃者の証言から元大学教授・岡倉(中山仁)に疑いがかかる。事情聴取に訪れた京都府警の三村刑事(三田村邦彦)の前に、義母で、お茶屋、みむらの女将・加代子(中村玉緒)が現れる。足をくじいた彼女を助けてくれた岡倉が好きで、再婚したがっているのだ。
殺害現場近くに落ちていた巾着は、芸妓・春駒(浅香唯)がなくし探していたものだった。春駒は容疑者・岡倉の娘。かつて北川との結婚を父親に反対されて家出していた。
その春駒が、マンションの部屋の前で男に襲われ、首を吊らされていた。幸い、駆けつけた三村刑事の機転で救われ、病院に収容されるが、その間に岡倉が府警に出頭し、北川殺しを自供する。
それを知った春駒は病院を抜け出し、岡倉の無実を信じる加代子は高熱を押して岡倉の別れた妻、つまり春駒の母・初音(入江若葉)探しを始める。三村と妻の冴子(藤谷美紀)が初音を探し出すが、その初音が北川殺しで自首する。
三村は初音の話から春駒と北川との関係や春駒と父、岡倉との反目、春駒が北川の子供をみごもっていることなどを知る。さらに、北川の妻・奈保子(愛川裕子)もまた、学生時代に駆け落ちした経験のあることなどが分かり…。
<脚本>石原武龍/橋塚慎一
<企画>清水賢治/瀧山麻土香
<プロデューサー>佐々木淳一
<演出>杉村六郎
<出演> 三田村邦彦/中村玉緒/藤谷美紀/浅香唯/中山仁/神山繁/前田耕陽/ベンガルほか