新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズのチームが堂々再集結!
2023/2024 シーズンは、〝ダークコメディ(暗い喜劇)”と呼ばれるシェイクスピア二作の日本初の交互上演でスタート!
『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の二作品は、シェイクスピアの戯曲のなかでは上演回数もそれほど多くはなく、登場人物も屈折したキャラクターが多く、”ダークコメディ(暗い喜劇)”と呼ばれています。 しかし、単に暗いだけではなく、人間の内面、時に自我と欲望をむき出しにした登場人物たちは、魅力的で深い人物造形に満ち、物語も終幕に至るまで、息をもつかせず展開するなど、隠れた傑作と言っても過言ではありません。
この二作は時をおかず執筆されたと推測され、ストーリー的にも同じテーマを持つ、表裏一体のような戯曲であり、交互上演にこそ意味があると考えます。 さらに、シェイクスピア作品の中では、数少ない、女性が物語の主軸となる作品でもあり、両作品とも登場人物たちは降りかかる困難に果敢に立ち向かい、世の理不尽を白日の下にさらします。
そこで、2023/2024 シーズンの開幕は、この二つの作品を交互上演する、という前代未聞の企画に挑みます。 悲劇とも喜劇ともつかない、その結末から「問題劇」とも分類される、この二作品を交互に上演することで、現代劇かとも思わせる、シェイクスピアの鋭い視点と同時代性が浮かび上がることでしょう。