妄想姉妹〜文學という名のもとに〜 第7話(2009年2月28日、日本テレビ) – 格太郎 役
第7話 2009年2月28日 江戸川乱歩「お勢登場」
放送時間 土曜日 24:55 – 25:25
放送枠 サタデーTVラボ
放送分 30分
回数 11
とある洋館に暮らす三人の美しい姉妹。
まるで母親のように、妹たちの面倒を見ている長女、30歳。
奔放な次女、27歳。
そして、病弱な三女、23歳。
父が亡くなった後も、家を出て行くことはない。
姉妹たちは、それぞれ夢見ていた。
自分たちの性格がこんなに違うのは、
母親が違うからに違いない・・・・・・と。
そして「自分の母親」を、
お父様は、本当は一番愛していたのではないか・・・・・・と。
ある日、作家であった亡き父から手紙が送られてくる。
その中に入っていた鍵は、書斎の秘密の金庫のもの。
三姉妹が金庫を開くと、そこには数十冊の本が。
父が残した本を読んでいくことにした三姉妹。
三人は、自分たちと文学作品の主人公とを照らし合わせ、
その、“妄想”の世界に入っていく。
その中でイメージした母親像と現在の自分を照らし合わせていき・・・。
第7話「お勢登場」
2009年2月28日放送
晶子(吉瀬美智子)が家にいるときとは違うオシャレをして外出した日の夜、草太郎(田中哲司)の書斎に集まった三姉妹。7冊目の本は、江戸川乱歩が書いた『お勢登場』だった。節子(高橋真唯)は、グロテスクな人間の本性を描いた乱歩の作品のひとつで、主人公は夫を殺す悪い女だったと、藤尾(紺野まひる)に説明する。3人は、前回の本である『白痴』で浮かび上がった誰の母親でもない“白い女”の存在を知って嫉妬した妻の誰かが草太郎を殺した可能性もある、と推理。
この本を手に取った晶子は、本の世界に入り込んでいく。
肺病の夫・格太郎(高橋和也)と暮らすお勢(吉瀬美智子=二役)は、白い肌がなまめかしい妖艶な女だった。格太郎が自分にメロメロだと知っていたお勢は、大きな長持ちの中に誘い込んでは、フタを閉めて情事にふける。だが、そんなお勢には、若い書生(山中雄輔)の愛人がいた。そして、そのことを格太郎も、感づいていた。
そんなある日、お勢が逢引きしている間、息子とかくれんぼをして例の長持ちの中に隠れた格太郎は、情事を思い出して悶々としていた。ところが、長持ちから出ようとした格太郎は、蓋の鍵が掛かってしまったと気付くが、中からは開けること出来ない。息子も格太郎を見つけることが出来ず、かくれんぼのことを忘れてしまった。夕暮れになり、書生との逢引きから戻って来たお勢は、長持ちの中に格太郎がいることに気付いて蓋を開けるが、再び閉めて鍵を掛け、殺してしまうのだ。
物語を読み終えた晶子は、お勢を擁護する発言をする。もし、長持ちの一件がなければ、ずっと肺病の夫の面倒を見て、若さを持て余すはずだ、という晶子。3人は、いつしか結婚という束縛と女の自由についての話を始めて―。