今年（1988年）の春、男闘呼組は全国各地を巡るコンサートツアーで、新たな時代の到来を予感させる成功を収めました。4月3日の新潟から始まり、山陽、四国、九州と約1ヶ月間にわたって南部地域を中心に大規模なツアーを行い、どこも大きな盛り上がりを見せました。特に倉敷では、男性ファンも多く参加し、会場は熱気に包まれました。メンバーの岡本健一は「オレたち、パンクかもしれない」と冗談を交えながら、その盛り上がりを振り返っています。
ツアーでの楽しみの一つは、地域の名物料理を楽しむこと。しかし、高松では意外にも天ぷら定食を選び、スタッフからは「なんだ、おまえたち！」と笑われたとか。それでも、夜は静かに過ごし、ギターの練習に励むなど、各地での体験を大切にしていました。
高橋一也は、ギターを最高の友と位置づけ、常に持ち歩き、遊びながらテクニックを磨いている様子。彼の音楽への情熱は、ファンの前での発言にも表れており、「今年は絶対レコードを出すし、男闘呼組の時代が来る」と宣言しています。
一方、前田耕陽は、ツアー中に客席に転落するというハプニングも経験。高校生活と仕事の両立を目指し、学業への意欲を見せています。彼の楽しいエピソードとは対照的に、岡本健一は、ステージの後には読書に夢中になるなど、オフステージでは穏やかな一面をのぞかせます。
成田昭次は、ツアーを終えて反省会を行い、メンバーやスタッフと共に厳しい意見交換を行っています。彼らの真剣さは、ステージ上だけでなく、オフステージでも感じられるものです。5月の末からは、男闘呼組主演のドラマの撮影が始まる予定で、彼らの新しい挑戦に対する期待も高まっています。
